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改正国立大学法人法が成立|運営方針会議の設置に多くの反対意見

 

2024年12月13日、法案が参議院本会議で可決され、改正国立大学法人法が成立しました。改正国立大学法人法については、大学関係者・大学生などからの批判が多く、国会審議中には4万件を超える「改正法案成立反対」のオンライン署名も岸田総理に提出されました。改正国立大学法人法成立に多くの反対意見が集まった理由について以下まとめました。


■国立大学法人法とは

国立大学は「文部科学省の内部組織」という位置づけでしたが、2004年からは国の組織から独立した一大学ごとの「国立大学法人」となりました。「国立大学法人化」は「民営化」とは異なり、国民の税金に支えられている点は「国立大学法人化」前と変わりなく、独立採算性は求められていません。


■改正国立大学法人法の主なポイントは

改正国立大学法人法の成立により、大規模な国立大学法人に対して、各大学の中期計画や予算などを決定する「運営方針会議」の設置を義務付けることになりました。東北大・東大・名大と岐阜大を運営する東海国立大学機構・京大・阪大の5つの国立大学法人が当面の対象となります。2024年度には東京工業大学と東京医科歯科大学が合併してできる東京科学大学も対象となる見込みです。


■改正国立大学法人法の懸念されることは

改正国立大学法人法は、一定規模の国立大学法人には「運営方針会議」の設置を義務付けるとしています。この「運営方針会議」を通して政府の関与・影響が強まり、「学問の自由」が脅かされかねないと多くの反対意見が集まりました。

運営方針会議のメンバーは「学長と3人以上の委員」とされていますが、委員の任命には文部科学大臣の承認が必要とされているため、該当する国立法人に対する政府の関与・影響が懸念されます。これに対して、文科省・政府は「明らかに不適切な場合以外は承認を妨げない」としていますが、2020年に起きた「日本学術会議の任命拒否問題」と同じく、政府の関与を将来的に否定することはできず、大学の自治・学問の自由が侵される可能性もあります。


■運営方針会議の役割・権限

・国立大学法人の運営を監督
・学長選考に関する意見
・学長が解任事由に該当する場合の報告
・中期計画の作成
・予算と決算の作成